FB投稿続編 創業経営陣の求心力・人心掌握に学ぶ

 こんにちはトゥモローブレイン(株)北川です。

 私は商品やサービスの企画・マーケティング・販売の「琴線に響くモノづくり・人づくり」のコンサルと講師をしておりますが、実はもう一つ、S社での知見と老舗経営研究と企業品質経営法を活かし「100年続くいい会社づくり」の経営仕組みコンサルも務めております。

 

 今回のブログは現在中小零細企業の経営者が最も苦悩し、極めて深刻な人財の確保・流出防止の視点でアップします。

 給与や休日日数のレベルでは大企業に敵わない。また昇給効果は直ぐ切れる。・・・ではどうする? 

 中小企業の最大の特徴は「社長と社員の近さの関係性」と考えます。それは下記の利点であり難点である。

 そのポイントが経営者の求心力・人心掌握術であり、経営の意識やスタンスに関わる参考エピソードをご紹介します。

 

 GW前に感激でフェイスブック投稿した元ソニー社長秘書室長の勝田さん※1との食事で感じたその人としての魅力、求心力(信頼と尊敬)の凄さ!

「この人のために何かしたい」「この人のためなら」と心から思う時、お会いする度に心を捕まれます。

 小生に手土産を購入し、持参頂く気遣いや上下なく同じ目線で気さくにお付合い下さり助言も頂きます。

 

 「嫌われる勇気」著者の岸見一郎氏の「今の日本は職位=人間関係の上下と勘違いしている、本来は職位≠人間の上下関係である」との言葉が思い出された。

 

 また、昔の話ですが、30年程前に当時のソニー副社長がマレーシアのゴルフコンペで写真撮影役をしていた私に、

「ご苦労様、暑いだろう」とご自分の帽子をその場で名も知らぬ小生の頭にかぶせ頂戴しました。

 その接し方のスタンスと気遣いに一発で心をつかまれました。忘れられない出来事です。

 その後頑張れたのも、その10年後に直接商品企画の指導を乞えたのもその温かい声掛けがきっかけです。

 自分自身の自戒も含め経営者としての社員との接し方、その経営スタンスの軸を最認識した出来事でした。

 

<社員から見た中小零細企業(オーナー企業)の利点・難点>私見

【難点】

「会社人生同じ社長に仕える」「社長が自分の給与も処遇も人事権も全て握る最高権力者で怖い存在」「社長に嫌われたらもう終わり」「同じ場所で同じ仕事をやり続けることになる」「頑張っても社長になれない」

【利点・好機】

「社長の話が聴ける」「意見が言える、意見を聴いてくれる」「即断即決でスピードがある」「家族の様に親身に気遣って頂ける」といった点。

 

 厳しい環境から組織を発展させた歴史人物や中小企業経営者の共通点からも中小企業の強みである社長の求心力・人心掌握術、双方向コミュニケーションの重要性に気付き、その原点として社員へ接するスタンスの意識変革や仕組みをつくった企業が生き残り延びていることは言うまでもありません。

 

最後に2つ

・【蒲生氏郷(がもううじさと)】の『蒲生風呂』の逸話。「ろくの少ない当主が家臣たちを労う為に、家臣を風呂に入れ自ら風呂を炊いた。

・【伊那食品工業(かんてんぱぱ) 塚越寛会長】のエピソード創業以来連続増収増益で社員応募率1000倍の企業、社員から「会社が大好き、誇りです。出社が楽しく待遠しい、会長のためなら・・」と自然に言葉が出てくる等の年輪経営で有名。多数の実話を聴いた一つに伊那食品見学したある社長の質疑応答場面の話で一番衝撃で感銘を受けたのがこれ、

塚越会長へ質問:「どうすれば会社に人が集まるんですか?」

塚越会長の回答:「もうその言い方・スタンスから間違っている。上から目線で経営者と労働者の関係ですね。」

「どうしたら人が集まるのでなく、どうすれば人から選んでもらえる会社になれるんですか?」だろう。

 

 まだまだご紹介したい内容は盛り沢山ありますが、長くなるので今回はこれで失礼します。

 S社での風土づくりのエピソードや勝田さんからのアドバイス、老舗企業研究内容等の本ブログテーマについては機会を見つけご紹介して参ります。読んで頂きありがとうございます。

 

【人物解説補足】

※1「勝田忠生」氏とは創業者の井深大ファウンダーと盛田昭夫ファウンダー※2の社葬喪主を務められた方で現在は国内でも有名なデザイン会社他の顧問を務める。勝田さん写真は本人より掲載許諾取得済み。

※2「井深大ファウンダー」と「盛田昭夫ファウンダー」ソニーの創業者で前身の東京通信工業(株)の町工場時代から世界のソニーを築き上げた方。現代の若者は名も顔も不明…よって解説。写真はソニー本社1階オープン見学スぺ―ス掲示より。